前回は竜胆とのやり取りの中で、その着眼点に興味を持たれ、実際に1局通して対局することが決定した信歩。
今回の第四話ではその対局を中心に描かれていました。
全体を通して将棋にとってかなり重要な考え方も出てきますし、信歩の能力も開花しつつある回だったりしたので結構面白い回だったと思います。
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敗北
主人公の信歩は竜胆との対局の中でなす術もなく敗北してしまします。
将棋というものは、序盤、中盤、終盤と全く戦い方が変わってくるので、現状終盤に特化して才能を発揮している主人公は、序盤、中盤の指し方を知らないわけです。
と、なると相手を詰める段階…駒で包囲して詰みの下準備をする段階まで局面をすすめる必要があるのですが、信歩は定跡も知らないし、序盤の指し方を知らないので、圧倒的にボロ負けしてしまいます。
詰みの下準備すら出来ない状態では、そもそも終盤力を発揮することが出来ないわけです。
敗北の理由がイマイチわからない信歩に、今回のエピソード中盤で、ルームシェアの相手である銀河に以下のアドバイスが与えられます。
ものの歩第4話より引用 明確な目標を与えられるシーン
この方針設定があるかないかだけでまったく対局の戦運びが変わってくるのです。
将棋では、局所局所の読み合いも大事ですが、大きな方針を決める必要があります。
これを大局観というのですが、初心者のうちは大局観が無いわけです。
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大雑把な大局観
終盤の細かい読み合いには強い主人公ですが、大局観が無かったために、戦闘の方針が決められず惨敗してしまった…ということのようです。
で、今回は「竜の猛攻を止めろ」というしっかりとした目標を携えての戦い。
前回とは全く話が変わってくるわけですね。
ボクシングで例えるなら、「前半はスタミナを削って、後半で仕留める…」などといったおおまかな筋書きを持っておく必要があるわけです。
信歩はそもそも読みの力はあるキャラクター。
方針さえ決まってしまえば“そこ”に対して集中することが出来るわけです。
他にも大まかな方針としては、以下のようなものがあります。
- 決定的な場所にと金を作れ
- 角の利きを活かして桂馬と組み合わせて攻めろ
- 端から崩せ
- 自陣への侵入を阻止しろ
- 流れに乗って1歩得しろ
このように方針をしっかりと決めた上で読むのと、ただ闇雲に読んでいくのでは全く違う結果が出てくるわけですね。
で、今回のエピソードでは竜胆を相手に寄せ合いにまで持ち込みました。
ものの歩第4話より引用 大局観を駆使すれば寄せあいに持ち込むことが出来る
さすがにたった2局で初心者が実力者相手にここまで立ちまわることは非常に難しいものですが、相手としても定跡ではない戦い方はトリッキーに感じますから、それなりにやりにくいのでしょう。
今回は寄せ合いに持ち込みました。
寄せあいとは将棋の最終盤のことであり、相手の王を詰ますか、自分の王が詰まされるかの一番手に汗握るところです。
人と場合によっては寄せ合い時に駒を持つ指が震える人もいるようですから、相当な読み合戦なわけですね。
次回はついにこの対極が決着するはずですから、どのような寄せを見せていくのか楽しみに見ていきたいところです。
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