どこで道を踏み外したんだろう。
彼はシンドリーをゾンビとして蘇らせることを条件にモリアの船に乗ったという。
そこに至るプロセスが飛ばされてダイジェストで人生を語られているからわかりにくいけど、それまでに色々な葛藤があったと思うんだよね。
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多くの死と向き合いながら。
モリアは医者として多くの人々の死に向き合ってきた。
でも、シンドリーの死だけは受け入れることができなかったんだと思う。
そして、そこに“天の導き”かのように、あの男がやってきた。
それがゲッコーモリアだよね。
モリアは死を受け入れられなかったドクトルホグバックの前に現れ、まるで救世主のように語ったんだ。
「お前の愛するシンドリーを生き返らせてやろう」
きっと、こういったエピソードが背後に隠されているんじゃないかな?
ワンピース48巻より引用 ホグバックの愛情が歪んだ理由とは?
そこからホグバックの人格はどんどん悪い方向にネジ曲がってしまったんじゃないかと思う。
ホグバックは元々医者であったわけだから、死者を冒涜することに抵抗がなかったとは思えない。
もし根本的に死者蘇生を願う思想を持っていたなら、もっと早くからやっていたはずだ。
明らかにトリガーはシンドリーで、明らかにトリガーはゲッコー・モリアだと思う。
シンドリーちゃんにもう一度会いたい。
その一心から、ホグバックは“死と向き合う道から逃げた”ってことになるんだろうねきっと。
そして、一度知ってしまった“死者蘇生の味”は、彼の人格やモラルを完全に破壊するに至った。
「皿なんかなくなればいい」といった感じでしか喋らないシンドリーを見て、ホグバックは「オレの知ってるシンドリーちゃんじゃない…」と思ったことだろう。
でも、それを認めてしまったら、彼女がゾンビであることを真に認めてしまうことになる。
だから認めるわけにはいかなかったんだ。
ゾンビだと見下しながら人だと信じようとし、人だと思い込もうとしながらゾンビだと侮蔑する。
そういう混乱し、歪んだ感情がそこには生じていることだろう。
もしかしたら自分の精神性をシンドリー中心に捻じ曲げることによって、彼女の死を無かったことにしようとしていたのかもしれないね。
上記カットでは「おれを振った女の中身なんざどうでも良かった!!その美貌さえあれば」なんて言ってて、当時は酷いやつだと思った。
でも、今考えればこれはホグバックにとって最大の“言い訳”だったのかもしれない。
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永遠の愛とは何か?
ホグバックが許せる人物か?といえば疑問が残るけど、彼には彼の想いがあったことは確かだよね。
少し視点を変えてみれば、彼には彼なりの“正しさ”があったと思えてくる。
シンドリーを想い、そのためにモリアに魂を売って、信念や精神性をも捻じ曲げた。
過ごした時間が永遠だからといって、その愛が永遠だとは限らない。
でも、ホグバックの愛情は歪みながらも核心をついているものだとは思える。
願わくば“あの時”ホグバックがちゃんと前を向いて歩けていたら…。
彼は今頃、有能な医者として成果を残し、幸せな生活を遅れていたかもしれないね。
もしかしたら奥さんが出来ていたり、子供の1人か2人が産まれていたかも…。
そんな未来があったかもしれないと思うと、なんだかとても感慨深いものだ!
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