漫画の表現方法として常識となってきた“伏線”という概念。
キャラクターとか人間関係の相関図や設定を、しっかり固めておくことによって、事前に張っておいた伏線をあとで回収するわけだけど、読者としてはこれが面白くてたまらない!
特に伏線が凄いのはやっぱりワンピースなんだけど、僕のヒーローアカデミアの堀越先生の伏線の張り方も凄い!
読解力のある読者であればあるほど感動できる、堀越先生の伏線「超カッコいいよ」について掘り下げていこう!
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「超カッコいいよ」さりげない伏線が感動を呼ぶ!
堀越先生の伏線の超スゴいところは、なんといっても“本線と比較して重要度が低くても、細かな心理描写のためだけに伏線を張りまくる技術”がめちゃくちゃ巧みなところだと思うんだ。
伏線が重要事項に絡んでいればいるほど、読者としてはわかりやすいんだけど、堀越先生の伏線はあえてわかりにくく張ってある。
“美は細部に宿る”ってよくいうけど、まさにそれが体現されている感じだよね!
例えばこのカットが伏線だなんて、誰が思えただろう?
僕のヒーローアカデミア1話より引用 幼年期のデクが絶望の狭間で母に救いを求めるシーン…胸が痛い!
このカットには、かなり巧みな伏線が張り巡らされていると思うんだよね。
なんというか1コマすら無駄を残さない美しい構成になってるというか。
大抵の人はこの次のコマ、お母さんの「ごめんね出久」に繋ぐためだけのものだと思っただろう。
僕のヒーローアカデミア1巻より引用 無個性の責任を自分一人で抱え込んでしまうお母さん…!
デクは本当がお母さんに行ってもらいたかったのは「大丈夫、ヒーローになれるよ」的なことだったと思うんだ。
でも、お母さんはデクを無個性に産んでしまった自分を責めてしまい、その言葉が言えなかった。
結果、オールマイトと運命的な出会いを果たしたデクは、オールマイトに「君はヒーローになれる」と言ってもらえたんだ。
もちろんそこも感動のシーンで、そこが主軸といえば主軸なんだけど、実はスゴイのはそこだけじゃないんだよね。
でも、この一連の流れにはかなり魅力的な伏線がまだまだ存在している!
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合格通知を待つ時間
お母さんはデクを無個性に産んでしまった自分に対して、責任を感じていた。
それでもデクはヒーローになるために研究ノートなどを必死に作ったりしてたんだよね。
お母さんもそれを知っていた。
でも、“必ず受かる”と信じきってあげることが出来なかったんだ。
それが以下の描写に表れてる。
僕のヒーローアカデミア1巻より引用 デクの気を紛らわせようとするお母さん!
お母さんはデクの事が大好きなんだ。
本当に心の底から大切に思ってるんだけど、同時に“無個性でヒーローになるのは難しい”とも思ってる。
だから、少しでもショックを和らげてあげられるように、こういった言葉をかけたんだと思うんだよね。
「息子の夢を信じられない母親ってダメじゃね?」みたいに思う人もいると思うんだけど、一般的に世の中のお母さんってこんな感じだと思う。
信じてあげたい、でも現実は知ってる。
だから出来ることを考えた結果、この対応に落ち着いた…みたいなね。
確かにデクのお母さんは息子の夢を先に諦めてしまったし、理想の大人じゃないかもしれない。
でも、全ての人に“理想の大人像”を求めること自体がおかしくて、お母さんはお母さんなりに精一杯頑張っている所が見て取れる。
やっと言えた言葉
そして、お母さんはデクの合格を知ることに。
言えなかった言葉をやっと、口にすることが出来る。
というか、言えるとは思わなかった言葉が言えた感じだね…!
僕のヒーローアカデミア1巻より引用 お母さんはこの言葉が言いたかったに違いない…!
幼い頃のデクが夢に描いた“超カッコいい”ヒーロー。
お母さんはそれに対して諦めの念を抱いてしまっていた。
でも、本当は言いたかったと思うんだよね。
デク「超かっこいいヒーローさ 僕もなれるかなぁ?」
この問いに「なれる」と答えてあげたかった。
この問いに「なれる」と答えてあげることが出来るなんて、思ってもみなかった。
最後のカットのお母さんはかなり目に涙を溜めてしまってるけど、たぶんそういう心理描写なんだろうと思うんだよね。
だからきっとデクのお母さんは、本当にいいお母さんなんだ。
デクが雄英に入れず、ヒーローにもなれなかったらきっと彼女は生涯“デクを無個性に産んでしまった自分”を責め続けるかもしれない。
みんなを助けるヒーローになりたかったデク。
結果的にお母さんを「ごめんね出久」っていう気持ちから救ってあげることが出来たんだね。
ある意味お母さんにとっては“デクこそが唯一無二でNo1のヒーロー”に他ならないのかもしれない!
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