【失恋ビギニング】読み切りネタバレ確定感想&考察・解説、読んでない人絶対に読んで!

いやーめちゃくちゃ面白かった!!

今週のジャンプMVPはおそらくこの失恋ビギニングだろう!!

まだ読んでない人は絶対に読んだほうがいい!

以下、バトワンなりの感想&考察、あとはどこが凄いと思ったかを解説していくね!

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読み切りネタバレ確定感想&考察、読んでない人絶対に読んで!

今回の失恋ビギニングは、俗にいう“ラブコメ”を斜めから見てドラマにしたもの。

本来ならば脇役であろうキャラクターを主役にして仕立て、あらゆるものの見方を転換、逆転させて物語にしたのがこの作品だ。

もしこれがどこにでもあるラブコメならば、主役は以下の男の子「きりん」だ。


失恋ビギニングより引用 主役であろうはずの男の子、きりん

で、よくあるラブコメはこの少年が、なぜか沢山の美少女に追いかけ回され恋愛の対象にされたり、ラッキースケベを繰り返したり…というのがオーソドックスな流れ。

それはそれでひとつのテンプレではあるんだけど、あくまでそれはファンタジーであり幻想だ。

ちなみに今回の“本来ならばヒロインだったであろう女子たち”は以下。


失恋ビギニングより引用 本来ならばヒロインだったであろう女子たち

それぞれがとても魅力的ではあるんだけど、このヒロインたちがもつ決定的な弱点を指摘したのがこの作品のポイント。

主人公は冴えない女の子&男の子の2人…ってことになるんだけど、この華やかな主役&ヒロインよりも何倍も輝きを放っていたのが凄まじい!!

上っ面をハリボテのように都合よくデコレーションされたキャラクターたちを、内面の魅力を持つキャラたちが上回った瞬間を見せてもらった!!

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決定的な矛盾と弱点!

既存のラブコメがもつ決定的な矛盾と弱点は以下のカットに集約される。

そう、それぞれがとても個性的な少女たちなのにも関わらず、彼女たちは「自分の物語を歩んでいない」んだよね。

そして男の子に都合良いように振る舞ってくれる、アイコンのような存在となってしまっている。

表現はかなりデリケートなところになってしまうけど、これは既存のラブコメが持つ“性の叩き売り”みたいな性質を、大きく皮肉っているんだよね!強い!!

ここには作者の本質的な考え方&メッセージが込められており、プライドを持って筆を運んでいること伝わってくる!!


失恋ビギニングより引用 作者の本質的な考え方&メッセージが込められている!

で、ラストで注目したいのは以下のカットだ。ここも「逆転」のシーン。

きりんとの恋を失った地味なヒロイン、玄子の自殺を主人公の地味な男の子、おうがが止めたあとの一幕だ。

おうがの説得がしっかりと玄子の心に刺さったことで以下のカットに発展したわけだけど、ドアの後ろにきりんの姿がある点に注目したい!!

ここで逆転に気付いた人は考察向きの思考力を持ってると思う!!


失恋ビギニングより引用 逆転に気付いた人は考察向きの思考力を持ってると思う!!

「うけませんよ、今どきバッドエンドは」とと語るおうがなんだけど、物陰に立ち尽くすきりんの姿。

これは“きりんにとってのバッドエンド”になっているからこそこのように表現されてるんだよね、そうじゃなかったらこのシーンにきりんは必要ない。

誰かのハッピーエンドは誰かのバッドエンドになりえることのリアリティ、そしてラブコメの不自然さへの痛烈な批判。

そして新しい感情の芽生え、始まり。

冒頭で説明した作者からのメッセージとプライド、その辺りが伝わってくる作品だったと思う!!

つまりなにが言いたいかというと、この「一のへ先生」という作者は、そういった信念をもって物語を描く作家さんであるということ。

こういった点を踏まえると一のへ先生という存在が、いかに覚えておくべき作家さんであるかがわかる感じがするよね!!

とくに最近のジャンプは「絵本みたいな子供向けスタイル」「奥深く練り込まれているスタイル」で二極化している傾向にあるから、だからこそこういう作家さんはみんなで応援していくべきだと思う!!

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