前回の十九話では、信歩のライバルである十歩が、岬に敗北…という展開となりました。
今回はその岬に対して信歩がぶつかることになります。
「美しい棋譜を…」みたいな感じのキャラクターですけど、このキャラクターに関わらず、将棋には芸術的な棋譜というものが存在し、棋士ならばみんなそのような棋譜を目指すのが常識だったりします。
ものの歩20話より引用 信歩を挑発する芸術志向の将棋指し、岬!
今回のエピソードでは、前回の十歩の敗北を引き継いだ流れに展開していきました。
十歩と信歩の関係を察知したのか、上記のように岬は信歩を挑発します。
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第二十話”たった三手のドラマ”感想&考察
「君は負けましたくらい言えるんだろうね」という挑発に対し、信歩は強気に「言うつもりはありません!」と応戦。
しょっぱなから白熱の対局の火蓋が切って落とされる展開となりました。
今回のエピソードでは「たった三手のドラマ」というタイトル。
タイトル通り、3手しか進みませんでしたが、将棋というゲームはこの中に色々な会話があったりするんですよね。
この3手の中に隠されたやり取りを以下にまとめてみます。
二人の間で行われた心理的やり取り
- 岬→相手は矢倉しか指せないから、振り飛車にすれば勝てると思ってる
- 信歩→相手は定跡マスターなのに、自分の矢倉で勝てるのか?
この心理状態が前提としてお互いの心のなかにあるんですよね。
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そしてこの前提の中、先手は岬。
岬は「相手は矢倉しか指せないから、振り飛車にすれば勝てる」と思いながらも、「振り飛車でも居飛車でも対応できる1手目」を指しました。
それに対して信歩は「相手は定跡マスターなのに矢倉のまま勝てるのか?」という悩みを抱きます。
自分の中での迷いを断ち切り、不安な心理状態のまま信歩は決断。
「それでも矢倉でいく!!」といった感じの決断の一手を指しました。
自分がこの1手で一気に不利になるかも知れない。
これはその不安を抱えたままの指し手であり、とても価値ある信念の一手といえます。
対して岬はその決断を感じ取ります。
相手は矢倉を貫いてくる。
そして、岬もまた「相手は矢倉しか指せないから、振り飛車にすれば勝てる」と思いながら、振り飛車を放棄するわけです。
有利になるはずの振り飛車を放棄して、矢倉を受けて立ったのには当然理由がありました。
このまま卒業する自分が、出来るだけ美しい棋譜を残して去りたい。
そんな思いが岬に矢倉を受けて立たせたのだと思います。
ものの歩20話より引用 矢倉は最も美しいとされる戦形!納得!!
はるか昔から何千、何万局と指されてきた矢倉という戦型。
だからこそ洗練され、無駄のない美しく引き締まった形になったとされます
岬は上記の矢倉の戦型に美学を感じ、それを大会最後の棋譜にしたいと望んだんでしょうね。
そして今回の20話は幕を降ろします。
たったの3手の中に込められた互いの思いや決意。
これは将棋を指せる人は共感したんじゃないでしょうかね。
さて、次回はいよいよ戦闘が激化してくると考えられます。
果たして信歩は岬に一矢報いることが出来るのでしょうか。
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