全体を通してストレートな表現がとても多かったワノ国編。
その作風は勧善懲悪でありストレートな爽快感があるものの、反面“考えさせられる展開”というのは限りなくすくなかった。
それによって独特のテンポが保たれていたとは思うけれども、ここに来て「ワノ国の民の絶望」が正しく描かれてきた気がするかな!
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ワノ国の民の絶望、求められていた感情の動き!
これまでもずっと「ワノ国を訪れた悲劇」は描かれてきた。
カイドウらによって奴隷労働が行われたり、ひどい環境汚染が行われてしまったり。
これらはとても胸を痛める表現ではあったものの、SMILEの副作用によって絶望感が半減していたともいえると思う。
もちろん“笑顔に固定される”といるのはめちゃくちゃ絶望的なんだけれども、着地点が“笑顔”であるため、雰囲気は明るくなってしまうんだよね。
でも、以下のカットでは本当の嘆きがちゃんと描かれている!
ワンピース1048話より引用 本当の嘆きがちゃんと描かれている!/cite>
まさにカイドウによるジェノサイド&ホロドモールが同時に行われているかのようなこの現状。
ニュアンスとしては「誰もが平等に極貧状態」みたいな状況になっていて、独裁が招く絶望うまく表している気がしたかな!
ここではSMILEを食べる前と後の比較に思いを走らせることが出来る流れであるため、一段と面白いよね!
ワンピース1048話より引用 平等な極貧状態って感じが恐ろしい!
SMILEを食べる前は「正しく嘆きを表現できる」状態なわけだけど、食べたあとは「嘆きを表現できなくなってしまった」といった感じ。
しかし人間の心理的なものとして、嘆きを口にすればするほどに自己暗示によってより痛みを感じやすくなるみたいなところもあると思うし、このあたりの解釈は分かれそうなところ。
SMILEは空腹を満たし笑顔に固定することで、結果的に苦しみが増大することに一時しのぎの歯止めをかけていたともいえると思う。
そういった意味ではある種のドラッグのような側面もあり、考えれば考えるほど救われない感じがしてやばいね!
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この地獄から逃してください。について!
そして今回のラストでは提灯に願いを込めて空に放たれることとなった。
これは俗にいうスカイランタン(コムローイ)の日本版…って感じだよね、なんとも幻想的。
人々の笑顔もそうだし、空中を舞う無数の光はとても美しいものだと思う。
その背景に潜むものを知らなければ、遠くから見れば素晴らしい国なんだろう。
そういった面も踏まえていくと、まさにワノ国は「ハリボテの国」といった感じがするね。
ワンピース1048話より引用 この地獄から逃してください。が痛い!
今回の表現をみると、ワノ国のモデルがどの国なのか?ともう一度問いたくなる気持ちになる。
奴隷労働と過酷な生活で苦しむ人々の様子は日本社会の端っこを表現したものなのか、あるいはもっと別の国を表現したものなのか。
それとも「どこかそういう国に乗っ取られた日本」を想像して描かれているのか。
いずれにしても「この地獄から逃してください」という言葉にはとても絶望的なニュアンスが込められていたように思うえたかな!
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バトワン世界の歩き方を追記!
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